お茶の間だより

おばさんの呟き

はてなブログは使いにくいのでやめます

デザインがすっきりしているのではてなブログにしましたが、最近使いづらいと感じています。

何より、一旦バーっと打ってから画像だの動画だの探しに行くのですが、記事の再編集にたどり着くまでダッシュボードへ行かねばならない。無駄に推敲してポータルトップに表示させる目的の人もいるでしょうから、対策なのかもしれませんが割と文章修正を重ねたい方なので、煩わしくてたまりません。

 

あとブログが表示されるまで、何か色々情報収集してるんでしょうがク□重い!!!!!

無料で使わせてもらっているので、広告表示に文句言うつもりありませんが。

どのサービスもモバイル優先になって、PCでじっくり読みたい派の私には向かないのかもしれません。

あちこちのサービスを使っては特に記事をとっておいたりもしない方なのでそのうち撤収すると思います。

 

またどこかでお会いしましょう。

「愛と喝采の日々」The Turning Point (1977)

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NHKBSで放映があったので、とりあえずバリシニコフの「海賊」見るためにだけ録画しました。
思えばテレビ放映でしか見た事がなく、ドラマ部分でシャーリー・マクレーンの声を当てていた小原乃梨子がぎゃんぎゃん叫ぶのだけが記憶に残っていたので、とりあえず字幕だし最初から見るか、と。

やっぱりシャーリー・マクレーンがぎゃんぎゃん叫ぶだけのドラマだった。 笑
でも、芝居があざと上手いのも彼女が映画女優として成功しているところで、やっぱり字幕版で本人が喋ってる方がずっと良いと思いました。小原乃梨子好きですけど。想像としてはのび太くんより未来少年コナンの方でお願いします。

映画のクライマックスは、ABTのガラ・コンサートの後ろで繰り広げられる、BBA二人のしばきあい(笑)。パーティドレスで追いかけ回した後、ホール外の風の強い広場で罵り合いながら蹴り合いして、最後はお互いに尻叩きしながら、バカバカしくなったのか若い頃を思い出したのか、最後は笑い泣きに不覚にもほろっと来てしまって、私もBBAになったからだなと思いました。

引退間近のBBAバレリーナ役のアン・バンクロフトはどこもダンサーに見えないのですがこの頃はこれで良かったんでしょうね。なんか「ブラック・スワン」の逆既視感がすごかったのですが、もしかしてあちこち元ネタになってる感あります?

バリシニコフの見せ場は思っていたよりたくさんあって、ジゼル、ロミオ&ジュリエット(練習)、ガラで眠れる森の美女、海賊、最後はドン・キホーテ。BBAドラマ以外にはレスリー・ブラウンよりもバリシニコフ鑑賞映画となっておりました。いや~、若い!青い目がキュート!エリートダンサーなのにチンピラくさい言動がたまらん。

相手役のレスリー・ブラウンは本物のABTダンサーで、1984年だったかな?バリシニコフのカンパニーの来日公演の時にも来ていてちょっと感激しました。ハーバート・ロスが後にバリシニコフを主人公にした「ダンサー」にも出ていたそう。未見なのでNHKさん放映してくれませんかね…

「海賊」の場面は「ザッツ・ダンシング」にも収録されている、というかこの映画でバリシニコフがアメリカのバレエ映画について語るコーナーすらあるのですが、版権の関係か何かで映像ソフト化されず、Youtubeにもありません。ただソビエト時代のバリシニコフの海賊の映像が。

この映画でもだいぶ滞空時間がヤバいのですが、コンクールは更に跳んでも回ってもすごい人でした。


Mikhail Baryshnikov - Competition and Concert Solos from 'La Bayadère' (Moscow 1969)

 

最近と最近見た映画

ブログ戻って来ました。

家の中もかなりすっきりして、季節の衣替えの時も捨てる基準が決まったので気楽。

私はミニマリストというほどではないし、家事のスペシャリストでもないのでその手のネタをブログに自分でするよりも、工夫している人のものを見る方が参考になります。

ただ、そういう方々のブログを見て私はこういう風にしている、という事でまた別のどなたかの参考になれば…という事で、出せれば出して行こうと思います。と言いつつマメではないので、今後もほったらかしになる可能性も。

さて、前回の時にU-NEXTの1ヶ月お試し加入をして、見たい映画優先で見まくってましたがまたテレビ放映録画も溜まって来たので一旦解約しちゃいました。

と言いつつ最近見た映画

小津安二郎麦秋」「東京暮色」

原節子主演の小津映画2本。

麦秋」は行き遅れの美人娘がいる家庭で、あれこれと縁談の世話をして、決まったら決まったで寂しいとか言い出す話。笑

「東京暮色」は、生真面目な姉(原節子)に対して奔放な妹(有馬稲子)、母のいない家庭で育って来たのでちょっとひねくれていて、不幸が起こるというたぶん小津映画にしては珍しく重く暗い話。

どちらも原節子の美貌が不自然なほど古い日本のお茶の間に合わない。笑笑。

でもそこが小津映画という感じ。とはいえ、端正で清潔な画面は見ていて気持ちが良い。「麦秋」で女学校時代の友達と既婚・未婚組に分かれてお互いを牽制し合うやり取りが可愛らしい。今の萌えアニメが好きな男性の気持ちがわかるw美人たちがどーでもいいような会話を楽しそうにしてるだけで和む。笠智衆が「東京暮色」では馴染みの穏やかで孤独が似合う父親なのが「麦秋」ではちょっと勝手なところがある兄で、髪も黒々としていて二度見してしまった。

 

カサブランカ

見てなかった名画。ハンフリー・ボガードは「3つ数えろ」「麗しのサブリナ」で見ていた時も、ヒロイン女優と縮尺が違う感じで違和感があったがこれもそうだった。顔が長くてでかいせいだろうと思うが、つまらなさそうに早口で喋るスタイルがニヒルで出来る男っぽくて格好良い。ヒロインのバーグマンも一番綺麗な時だったのではという気がする。白黒だけど欧州から見たアフリカ北部の異国情緒趣味が楽しめる映画だと思う。ナチスがパリを制圧した頃の時代背景、映画が作られた背景を知るとまた面白いと思う。カフェでドイツ将校たちが愛国歌を歌っているのに対抗して、フランス国歌を歌って対抗する場面が熱い。

「君の瞳に乾杯」とか名セリフが多い映画というが、終盤空港で交わされるセリフが私は心に残った。

「俺は大した人間じゃないが、この狂った世界では、俺たち3人の問題なんて、取るに足らないことだってことくらい分かる」

www.eiga-square.jp

しかしニヒルな男に美女がkidって呼ばれる構図は良い^^

イングリッド・バーグマンは辛い境遇にあってもあんまし辛そうじゃないし、実は本心がよくわからない感じにも見えたけど、そんな不器用さ?も魅力に感じた。

U-NEXTでは公開している限りのヴィスコンティ映画を見てました。3本くらいでしたけど。どれも面白くて印象に残ったので、また!

水回りリメイクシート

まだ配信サービスお試し期間なのであれこれ映画鑑賞してます。

この週末、ホームセンターをうろついて「水回りにも使えるリメイクシート」を買って、キッチンに貼りました。

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あえて小さい写真にしときました。

タイルの上にタイルかよwwステンレスの上にもタイルかよwwって感じですが。
まあこうなるかな、とは思いつつこれにしたので、想像の範囲内です。
今の住まい、古くても気に入ってはいるのですが、古いだけに水回り関係があちこちメンテが必要な状態になっていて、キッチンは蛇口の向こう側、タイルの足元のところのコーキングが剥がれ、タイルの目地も汚れていたので、毎日の拭き掃除だけではなかなか綺麗にならず、どうしても剥がれた隙間に水気が残っていました。

修繕前の写真、撮ろうかと思ったんですがやっぱりちょっと汚くてですね…やめました。
コーキング剤も、ホームセンターで本格的なものからお手軽補修のものも売っていて、自分でやってみようと何度か思ったのですが、

・まず、古いコーキングを剥がさなければならない。

・タイルの黒ずみも出来れば落として、目地を綺麗にする作業も必要になる。

・コーキングも素人だし、色が違ったりうまく塗れなかった場合却って汚い感じになるかも。

等々の理由でどうしても踏み出せませんでした。
要は水回りがしっかりカバーできれば良かったので、「水回りにも使えるリメイクシート」とあったので使ってみたくなったということです。

この手のリメイクシート、実はあまり好きじゃないです。壁用のものでもウッディ調、コルク調、コンクリート調、ワンポイント柄と豊富ですが、狭くて湿度が高く、こまめな掃除が必要な日本の住まいには却ってごちゃっとした感じになってしまいそう。好みの問題かとは思いますが、私としては「○○風」でもあくまで「風」であって、その実体は巨大なシール。それでも貼ってみたいと思えば買ってみる、というところです。

私がインテリア音痴なので、上手にデコ出来る才能がないだけなんですが。

水回りに使えるシールって表面の防水の他にどんな仕組みなんだろう、と思っていたら、シンクの継ぎ目に貼るアルミテープの表面にポリウレタンで柄と質感を加工したものでした。タイル柄もできるだけ目立たないものが良かったんですが、あれこれ考えてこれにしました。

ホームセンターでも、タイルシートと言っても色々あって、
・プラスティック紙にタイル壁面の質感を印刷したもの
(百均はだいたいこれ)

・多少厚みあり、凸凹面のあるポリウレタンシートにタイル模様を印刷
(近くに寄るとやや安っぽい)

・今回買ったガラスタイル風

・土台がゴム製の目地で、本物のタイルが並べてあり裏面に糊がついている
(本物のタイルシート)

私が買ったのは2枚税込1400円弱ので(オンラインショップでも同じ値段だった)、この写真で全部使い切りました。水回りをキッチリカバーできればそれで良いので、残りはハサミで切って適当に段差に貼り付けました。

これは貼った感じ、割と良かったしタイル面の質感も気に入りました。

少し前に、キッチンのアルミテープも張替えしたのでできるだけ綺麗な状態を保ちたいと思ってます。

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隙間を気にしないためだけのものですが、気にせずにテープの上に熱い鍋なんか平気で上に置いてたら糊残りが酷く、汚れたままの台ぶきんで拭いてるうちに端っこに汚れが溜まってめくれてくるんですよね。

今回張替えしながら、そういえば昔の人は畳の縁をできるだけ踏まないようにしたのは、縁が擦れるからだったんだろうなぁ、なんて思ったりして、テープも汚れれば張替えすればいいだけのものですが、あまり張替えしたくないから炊事の度に水気を拭き取ります。

こんなもの貼らないのが一番ですが、昔のシステムキッチンなので隙間があり、今のところテープで対処するのがベストなようです。探せばもっと良いものがあるのかな…

タイルシートの方に戻ると、やっぱり水が直接かかり、水気が溜まりやすい蛇口の向こう側がハサミで切った端がなんとも心細いので、上からアルミテープを貼りました。

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アップにするとやはりシール感が(笑)

最初から全部アルミテープでも良かったかもしれないですけど、残念な見た目になってしまいそうで。タイルオンタイルもどーかと思いますが、見た目よりもしっかりと貼り付いていて、端がめくれる事もそうそうなさそうです。

古い衣類を切ったウエス、貯まる一方で揚げ物した時にキッチン掃除する時くらいしか使わなかったんですけど、アルミテープとリメイクシートを貼ってから、今は「1日1ウエス消費」と決めて、小さめに切って毎日掃除したら捨てる事にしてます。これで古タオルも掃除にどんどん使って行けるかな。

シート、気軽に貼れるような事書いてありますけど、まっすぐ貼るのってやっぱり大変だし、おそらく剥がす時もシールはがし剤やら何やらないと綺麗には取れないもんです。やっぱりできるだけ張替えしたくない…!

 

上の写真、洗いかごが立ってますが、よく断捨離する人でキッチン周りで一番邪魔なのがこれ、ということで思い切ってなくす話を読んで、私もやってみようかと思ったんですが、私としては便利に使っていた事がわかったので使ってます。

すすいだ食器を手際よく、小さいスペースに積み重ねて行くには皿が立つかごがあった方が良かったです。今は家族4人で、食器も不必要に使わないように仕向けてはいますが、それでも茶碗、皿、取り分け皿、保存容器にコップやグラスなど結局結構な量になってしまうのもあるかとは思います。

何度か鍋に上げたりしてみたんですが、かごの方が水切れが良く、立てておけば場所も取らないです。食器を拭いたらかごも拭いてしまえばぬめりも付きません。スペースよりスピードを取った感じ。底に敷いて水が流れるようになっている板があったのですが、これは本当に要らないので外しました。

夕飯の片付けが終わり、必要ならば翌日の朝のしたくとか、弁当の材料揃えなどが済んだら、食器を片付け、食器かごを立てかけ、シンクの掃除をし、ごみ受けザルを洗い、キッチン用台ぶきんとウエスで水気を拭ったら「今日の水仕事は終了しました」ということにしています。かごが立ってると、家族も「もう後は自分で洗えという事なんだな」と思うらしい。その後家族がめいめい洗うコップや小皿が、吊り戸棚から下がっている棚にずらっと並ぶのが今どうしたものかと課題になってます。地道に変えて行くしかなさそう。

ともあれ、キッチンが片付いていると家族が気軽に台所に立つようになった気がします。

「ヤンキー・ドゥードゥル・ダンディ」 Yankee Doodle Dandy(1942)

ジェームズ・キャグニーがひたすらカワイイ映画

先週、ちょっとした事があって配信サイトに仮登録してしまいました。しばらく無料期間の間見たかった映画を見まくっていて大変な事になってますが、テレビ放映録画もたまる一方。最近NHKBSで放映されたこの映画について感想を記しておきたくなりました。

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映画としては笑っちゃうほど平凡な「戦時中のハリウッド国威発揚ミュージカル」。戦前の興行主コーハンの伝記映画の体を取っていてヒットするまでの苦労、ヒットしてからの苦労もそれなりに描かれるものの、基本的にトントン拍子で出世するわ、問題児の主人公に家族や妻、周囲が寛容すぎて一種異様ですが、そういう時代と思うとまあ楽しいです。

主演はジェームズ・キャグニー、癖のある風貌でギャング映画のスターとして有名だったそうです。
実は、この映画でキャグニーが身軽なダンスを見せる場面は1984年の「ザッツ・ダンシング」という、映画のダンス場面を中心に編集して当時の有名人がコメントするダイジェスト映画で何度も見ていました。

この映画ではバレエの場面もあって、ミュージカルではなくバレエの記録映像として残されたヌレエフの全盛期や「愛と喝采の日々」の中で超絶技巧を披露するバリシニコフの「海賊」のダンス(これ探してもyoutubeにもない)等々、貴重なダンス映像もたっぷりあってダンス好きにはたまらん映画なのですが、おそらく権利関係の問題などで今は製品化、配信もされておらず古いDVDで入手するしかないそれ自体が伝説の映画になってしまいました。

で、この「ヤンキー・ドゥードゥル・ダンディ」自体も未公開、youtubeで有料配信はしていますが、こっちはこっちで差別的、軍国主義の表現もあってそういう時代の映画、として見るなら面白いかもという程度です。

そんな風に一応見ておくかと斜めにかまえて見ていたのですが、「ザッツ・ダンシング」でダンス場面だけ見ていた "Give My Rgards to Broadway"の場面で胸が熱くなってしまいました。


Little Johnny Jones (Yankee Doodle Dandy)

画質の良い動画がなかったです。

この場面は「ザッツ・ダンシング」で紹介された時に「劇中劇、失意の騎手が疑いを晴らす合図の花火で踊り出す主人公」というのも知っていましたが、寂しそうな表情と姿、一転やったぜと観客に向ける笑顔が素晴らしい。キュート。

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この顔。ああカワイイ

キャグニーのダンスはダンサーというより曲芸に近く、身軽さと速さだけが命でくるくる回るときもいわゆる「首がついてない」しダンスとしては変なのに、むしろそれが可愛い。チャーミング。かくし芸的に披露した?この映画1本でギャング映画スターだったキャグニーの代表作の一つとなり、レジェンドとなり、多くのハリウッドダンサーから尊敬されていたという逸話が理解出来ました。前述のバリシニコフもファンだったとか。バリシニコフは顔つきや小柄なところが自分と似ているから、という理由をどこかで見たような。

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キャグニーとバリシニコフ。どっちも楽しそう

後半は映画も戦争に突入し、映画の観客とストーリーを違和感なく進めるための劇中劇も国威発揚のものが増えて行きますが、最後の最後にまたキャグニーの身軽さとカワイイところが見られて楽しかったです。

そもそも題材のコーハンが愛国主義の歌を多く作った人だそうなので、戦時中にこういう映画を作らなくていつ作るくらいな感じだったでしょうし、冒頭でもアイルランドアメリカンな事を売りにしてたりと、日本でいうところの「差別的な表現が含まれますが当時のままのうんぬん」的な字幕が冒頭にあってもいいくらいな映画でした。だから長らく見る事ができなかったのかもしれません。

映画的には目的が国威発揚と中身が薄い感じではありますが、仕事がなくても腹が減っても、吊るし上げられても平然と冗談を言って戦争すら乗り切って行くキャグニーの姿は確かに見終わって兵士たちを爽やかな気分にしたのではと思いました。

イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密 The Imitation Game (2014)

映画の感想は綴ります。私も映画を見ながらwikiや他の人のレビューを検索して見たり、面白いレビュアーがいると他の記事も見て、取り上げている映画の傾向が同じで親近感が持てたり自分が見ていない映画に興味を持って、機会があったら見ようとチェックするようになって、私のネットの楽しみの一つになりつつあります。
まあ私のレビューは感覚的でいい加減なので人の役に立つとは思えません。

映画の話。確かこれはGYAO!での無料配信で見ました。

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私はドキュメンタリー、特に理系ネタ、宇宙ネタ、近代史ネタのドキュメンタリーが好きで、モノによってはどんな映像美、神構成、豪華キャストの映画でも得られない本物の映像だけが持つ説得力を感じる。私自身は理系はさっぱりなので数式で世の中の全てを表そうとする人の脳がどんな風なんだろう、と逆に興味がとてもあります。

アラン・チューリングという数学者もそんなドキュメンタリーで知った名前で、確か数学のミレニアム懸賞問題を特集していて、細かい事は忘れてしまったのだがその問題に触れつつ、例えば「最大素数を見つけるとはどういうことか」など、映像つきで素人にもわかりやすく解説してくれて面白い番組だった。

多分これだと思うが前後に同じシリーズの番組があったのでそっちかも
NHKスペシャル 魔性の難問 リーマン予想・天才たちの闘い
https://www2.nhk.or.jp/archives/tv60bin/detail/index.cgi?das_id=D0009010786_00000

チューリング人工知能・AIの仕組みも予言、というか本気で作ろうと考えていた人らしく、昨年一旦終了してしまった「フランケンシュタインの誘惑」(この番組も大好きで大体見てた)のAI特集でも名前が挙がっていたと思う。ただ、功績自体はナチスの暗号「エニグマ」を解読し、祖国英国をナチスの恐怖から救ったということがメインらしい。

そんな理系近代史+「シャーロック」のベネディクト・カンバーバッチ主演ということで、楽しく見ました。

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一言でいうと、「戦時中版/ジョンのいない『シャーロック』」だった。笑

別に不満は全くないんですが、ナチス暗号の謎解きや、仲間にスパイがいる?と思う時のひらめき方が「○○…?いや、でもそうだ、間違いない!」みたいな感じでシャーロック。日本語吹き替えもシャーロックと同じ三上哲さんだったので、字幕版見てから吹き替え版も見たら、よりシャーロックだった(笑)。いや好きだから吹き替えも見たんですよ。
「シャーロック」も初回放送をたまたま見ていて、衝撃的に面白くて毎回新シリーズの放映を楽しみに待っていました。もうこれで終わり?なのかもしれませんが、人気になればなるほどシリーズが伸び、蛇足設定が増え、新しい役が設定され誰おま状態という人気ドラマのよくあるパターンと一線を画して綺麗に終わった感じがして終わってからますます名作になった感じ。

そのうち次女までハマって一緒に見たり、英語学習用に書かれたコミック版を欲しがったので買ったり。そんな次女と私の感想は「実はベネさんよりジョンが良い」。シャーロックが奇行と思われようと突っ走るのにオロオロしたり、引き止めたり、時にはツッコミを入れたりという相方がいないと物足りない。

そういう意味では、この映画では孤独さが際立って良かったかもしれません。狙ってたわけではないでしょうけど。一応結婚もしてスタッフの一員となる奥さん(キーラ・ナイトレイ)もいるんですが、馴れ初めも本当に好き?みたいな微妙な含みがあって、奥さんもチューリングを尊敬して天才だと思ってるんだけど、変な距離感があるように私には感じられました。キーラ・ナイトレイも美人だけど、男に従順な女性って感じじゃないのでそのせいかもしれませんが。

長さも内容の割に短めな感じで、サクサクと話が進んでしまうので、1回見ただけでは細部がわからないタイプの映画だったかもしれません。私は吹替版と2回見たわけですが、吹替は声を聞くために見てたようなものでやっぱりわかってないような気がする…

個人的には、ドキュメンタリーで紹介されていたチューリングの写真はもっと内気というか、「声をかけられないとずっと機械に向かってそうなオタク」のイメージで、役者としてはマーク・ラファロとかニコラス・ホルト(マーベル系の「科学者」役しか思いつかないw)みたいな方が実像に近いような気がしました。ただ英国人の伝説を映画化するならやっぱり英国役者、超人気者のカンバーバッチいてこその映画になったとは思います。この映画のチューリングは変人なんだけどオタクじゃないんだよなぁ…やっぱり「シャーロック」でした。うん。

チューリングのAI提言も、実は学生時代の親友が病死してから蘇らせるために、彼を再現させるためにAI開発を本気で考えていたらしいと言われていました。チューリングの場合同性愛者であったことが知られていて、どうやらその親友にも恋をしていたという説があるらしい。

その辺の描写が映画でどうなるのかと思っていたけど想像以上にソフトというか、最後の最後に明かされ、セリフで贖罪(当時は同性愛は刑法上で罪)のために薬物治療を強いられていることや、ほんのりした回想で学生時代の親友と仲良く話している光景を懐かしむ…程度だったように思う。

この手の映画でエロ場面なんか望んでいないし、主題も天才的数学者がスパイの妨害にも負けず解読を成功させたという逸話だけで十分物語になるんですが、ちょこちょこ「変わり者」である中にどうやら同性愛者らしい、という表現が匂わす程度に入るのが、最後に何かあるのかと変に思ってしまっていたらそんなことはなかった。しかし、この映画でのチューリングの性癖は近年の差別解消活動におおいに取り上げられたらしく、話題になったそうです。

別な話になりますがwikiに、映画の中で描かれた事について論争があったとかで、脚本家がそれについて語ったという話が面白かったので引用。

2015年1月、脚本家のムーアは『ハフィントン・ポスト』で映画の歴史的整合性に関する批判について「ある映画を語るときに『ファクトチェック』という言葉を使うのであれば、その人は何というかアートの仕組みを根本的に誤解している。モネの『睡蓮』をファクトチェックする人はいない。睡蓮はそう見えない、睡蓮はそんな感覚じゃない。でもそれが作品のゴールなんだ」と述べた。同じインタビューでティルドゥムは次のように語っている。「歴史映画はたまにウィキペディアの記事を読んでいるように感じられる。『彼はああして、こうして、そしてこうしました』と暗唱して、まるでヒット曲のコンピレーションみたいだ。我々は映画を劇的で情熱的にしようとした。我々が目指したのは、ゴールは、アラン・チューリングはどんな人か、彼の人生はどんな感じか、アラン・チューリングになるとどんな感じか、というのを届けることだ。彼の人生を通じて、観客に『アラン・チューリングらしさ』を体験させることができるだろうか、と」

wikipedia イミテーション・ゲーム#論争

 https://goo.gl/XxE6MZ

チューリングは近代の人なので生き証人が健在であれこれ違う、という論争があったらしくそれを受けて脚本家が語った事だそうです。

実際の人の一生には、wikiのような一次元だけで語れる以外にも色々な側面があると思うし、トリビアまで全部盛り込んで物語で描くとしたら、皆性格破綻者になっちゃうとは思う。それくらい人間は複雑だし、でもそれをわかってる上で二次元的にキャラづけがされて物語になって、ぶっちゃけ嘘だらけなんですが複雑な人間たちの一瞬の事実だけは本当だったりして、その感動を作るために物語って作られているのかもしれません。

逆説的にwikiが全部正しいとは限らない、という話もまた別にありますが、マニアほど「真実」以外を受け入れられないとか、すごく人気作ほど「元ネタがあるのに」とか「正直パクリじゃないの?元の方がもっと評価されていいはず」って不満を誰しも持ってしまうものかと。私もまあよくありますが、色々考えさせられ、ちょっぴり反省しました。

言いたいこと言っちゃってますけどね!やっぱり。

もう1回見ておきたい映画かも。
フランケンシュタインの誘惑」も再放送してくれたら全部録画し直したい。
(あっ…なんか検索すると動画が見つかったり…?多分消されるので貼りません)


フランケンシュタインの誘惑 科学史 闇の事件簿」コトハジメ
http://www.nhk.or.jp/bs-blog/2000/242990.html

最近見た映画

また消化してました。はからずもここ数日はハリウッド映画ばかり、東部西部についての話も多く、日本でいうところの関東関西…と言ったら距離が全然違うけど、そもそもこんな広大な土地でそれぞれ生活している人たちを「アメリカ」という一括りにして大丈夫なのかと改めて思ったり。

ブログは自分が「twitterに慣れすぎて3行程度しか理解出来ないし綴れなくなってしまった」リハビリなので、本当は1本1本レビューしたいところだけどいつできるやら。

「傷だらけの栄光」 Somebody Up There Likes Me(1956)
白黒映画。伝説のボクサー、ロッキー・グラジアーノに扮したポール・ニューマン出世作。冒頭、チンピラ仲間の一人にスティーブ・マックイーンが出て来て、ギラッと光る目が印象に残る。
昔の映画は簡潔で見やすく、とんとんと話が進むテンポが良いが、今の映画は確かにこんな風に単純明快には作れないだろうな…とも思った。若いポール・ニューマンがゴツい役が合っていて格好良いが、既にセレブ俳優としてのニューマンしか知らないから貧しいイタリア移民という設定が想像しづらいが、グラジアーノの写真を見ると案外、どうかするとスタローンよりもイメージとしては近いように思えるのが面白い。

「ブルー・ジャスミン」 Blue Jasmine (2013)
ニューヨーク五番街のセレブ主婦の転落を描いたブラックコメディ。スーパーモデルみたいなケイト・ブランシェットが髪振り乱し、マスカラが剥げた血走った目で喚いたり、果てはノーメイク顔を晒して落ちぶれセレブの演技がすごい。こういうのを「体当たりの演技」というのでは。妹のジンジャーも嫌味なく頭の弱い感じで、うまい対比だと思った。ゴシップにはあまり興味がなくても、ゴシップを覗くのって一種の快感なんだなと思った。ブラックでも後味は悪く感じなかった。虚構とリアリティのさじ加減が上手いのかな。私には楽しい映画だった。

「セント・オブ・ウーマン夢の香り」 Scent of a Woman (1992年)
盲目の孤独な元中佐をアル・パチーノ、バイトで中佐の介護人を引き受ける名門高校学生のクリス・オドネル。元の映画があるそうだが、中佐の女好きで目が見えない故に女の匂いだけであれこれ妄想する下品なおやじ感はなく、とてもシリアスな緊張感が続く映画で、こういう映画で良いの?という疑問がずっと続いていた。内容が盛り込み過ぎな感じ。オドネルがセレブ学生の悪戯に巻き込まれ、彼自身が密告でエリート校進学か退学かの極端な進退が全校裁判という「いじめから見せしめ」の部分は要らないように思えた。それがあってのパチーノの演説のカタルシスはあるが、タンゴの場面と言いパチーノの名演技シーンを作るためだけの映画?と思えてしまった。オドネルと二人とも、誠実な人柄の役が見ていて気持ち良い映画ではあったが。

「ラスト・ベガス」 Last Vegas(2013年)
久々に時間の無駄とも思えるくっだらねー映画を見てしまった。 笑
マイケル・ダグラスロバート・デ・ニーロモーガン・フリーマンケヴィン・クラインの4人のジジイがラスベガスで年も忘れて乱痴気騒ぎする様子をお金をかけて撮影しただけの映画。やたら酒を飲んだりゴージャスボディの若い女に色目を使ったり、何これは4人の役者とスタッフへの福祉厚生映画か何かだったんですかという感じ。お話も別になくても良いような内容で、若者にイケてるとかカワイイとか言われたり、この世代もまだまだ現役とか一目置かれたいとかが全て惜しみなく払ったカネによるという割とサイテーな夢映画。
冒頭に少年時代の彼らを映して「いい話感」を出そうとしてるのが最早腹立たしいが、大物役者がお互いのジジイっぷり(髪だの歯だの前立腺だの)を弄る会話は面白かった。ジジイに惚れられるベガスの売れない歌手役のメアリー・スティーンバージェンが良かったです。

ビリー・ザ・キッド21歳の生涯」 Pat Garrett and Billy the Kid (1973)
むかーしテレビで見た記憶があって懐かしくて録画。サム・ペキンパーの血みどろ残酷ガン・アクション。
大脱走」で唯一まんまと脱出に成功した役のジェームス・コバーンがギャレット保安官、ビリーが歌手のクリス・クリストファーソンボブ・ディランの音楽で本人も出演。
ボブ・ディランは最近ドキュメンタリーでどんな活動をして功績と伝説を残したかというのを見て、初めて色々と知る事になって、面白かった。この映画ではまだ若く、割と可愛らしい顔をしているのが意外。コバーンはイケメンと言うには微妙な顔だけど、背丈の割に頭が小さいのか手足が異様に長く感じる。黒い上下の保安官姿の格好良いこと。クリストファースンも異相で、声が低いのが良く、コバーン、クリストファーソン、ディランの3人は神起用なのではと改めて思ったりした。