お茶の間だより

おばさんの呟き

最近見た映画

また消化してました。はからずもここ数日はハリウッド映画ばかり、東部西部についての話も多く、日本でいうところの関東関西…と言ったら距離が全然違うけど、そもそもこんな広大な土地でそれぞれ生活している人たちを「アメリカ」という一括りにして大丈夫なのかと改めて思ったり。

ブログは自分が「twitterに慣れすぎて3行程度しか理解出来ないし綴れなくなってしまった」リハビリなので、本当は1本1本レビューしたいところだけどいつできるやら。

「傷だらけの栄光」 Somebody Up There Likes Me(1956)
白黒映画。伝説のボクサー、ロッキー・グラジアーノに扮したポール・ニューマン出世作。冒頭、チンピラ仲間の一人にスティーブ・マックイーンが出て来て、ギラッと光る目が印象に残る。
昔の映画は簡潔で見やすく、とんとんと話が進むテンポが良いが、今の映画は確かにこんな風に単純明快には作れないだろうな…とも思った。若いポール・ニューマンがゴツい役が合っていて格好良いが、既にセレブ俳優としてのニューマンしか知らないから貧しいイタリア移民という設定が想像しづらいが、グラジアーノの写真を見ると案外、どうかするとスタローンよりもイメージとしては近いように思えるのが面白い。

「ブルー・ジャスミン」 Blue Jasmine (2013)
ニューヨーク五番街のセレブ主婦の転落を描いたブラックコメディ。スーパーモデルみたいなケイト・ブランシェットが髪振り乱し、マスカラが剥げた血走った目で喚いたり、果てはノーメイク顔を晒して落ちぶれセレブの演技がすごい。こういうのを「体当たりの演技」というのでは。妹のジンジャーも嫌味なく頭の弱い感じで、うまい対比だと思った。ゴシップにはあまり興味がなくても、ゴシップを覗くのって一種の快感なんだなと思った。ブラックでも後味は悪く感じなかった。虚構とリアリティのさじ加減が上手いのかな。私には楽しい映画だった。

「セント・オブ・ウーマン夢の香り」 Scent of a Woman (1992年)
盲目の孤独な元中佐をアル・パチーノ、バイトで中佐の介護人を引き受ける名門高校学生のクリス・オドネル。元の映画があるそうだが、中佐の女好きで目が見えない故に女の匂いだけであれこれ妄想する下品なおやじ感はなく、とてもシリアスな緊張感が続く映画で、こういう映画で良いの?という疑問がずっと続いていた。内容が盛り込み過ぎな感じ。オドネルがセレブ学生の悪戯に巻き込まれ、彼自身が密告でエリート校進学か退学かの極端な進退が全校裁判という「いじめから見せしめ」の部分は要らないように思えた。それがあってのパチーノの演説のカタルシスはあるが、タンゴの場面と言いパチーノの名演技シーンを作るためだけの映画?と思えてしまった。オドネルと二人とも、誠実な人柄の役が見ていて気持ち良い映画ではあったが。

「ラスト・ベガス」 Last Vegas(2013年)
久々に時間の無駄とも思えるくっだらねー映画を見てしまった。 笑
マイケル・ダグラスロバート・デ・ニーロモーガン・フリーマンケヴィン・クラインの4人のジジイがラスベガスで年も忘れて乱痴気騒ぎする様子をお金をかけて撮影しただけの映画。やたら酒を飲んだりゴージャスボディの若い女に色目を使ったり、何これは4人の役者とスタッフへの福祉厚生映画か何かだったんですかという感じ。お話も別になくても良いような内容で、若者にイケてるとかカワイイとか言われたり、この世代もまだまだ現役とか一目置かれたいとかが全て惜しみなく払ったカネによるという割とサイテーな夢映画。
冒頭に少年時代の彼らを映して「いい話感」を出そうとしてるのが最早腹立たしいが、大物役者がお互いのジジイっぷり(髪だの歯だの前立腺だの)を弄る会話は面白かった。ジジイに惚れられるベガスの売れない歌手役のメアリー・スティーンバージェンが良かったです。

ビリー・ザ・キッド21歳の生涯」 Pat Garrett and Billy the Kid (1973)
むかーしテレビで見た記憶があって懐かしくて録画。サム・ペキンパーの血みどろ残酷ガン・アクション。
大脱走」で唯一まんまと脱出に成功した役のジェームス・コバーンがギャレット保安官、ビリーが歌手のクリス・クリストファーソンボブ・ディランの音楽で本人も出演。
ボブ・ディランは最近ドキュメンタリーでどんな活動をして功績と伝説を残したかというのを見て、初めて色々と知る事になって、面白かった。この映画ではまだ若く、割と可愛らしい顔をしているのが意外。コバーンはイケメンと言うには微妙な顔だけど、背丈の割に頭が小さいのか手足が異様に長く感じる。黒い上下の保安官姿の格好良いこと。クリストファースンも異相で、声が低いのが良く、コバーン、クリストファーソン、ディランの3人は神起用なのではと改めて思ったりした。