お茶の間だより

おばさんの呟き

「愛と喝采の日々」The Turning Point (1977)

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NHKBSで放映があったので、とりあえずバリシニコフの「海賊」見るためにだけ録画しました。
思えばテレビ放映でしか見た事がなく、ドラマ部分でシャーリー・マクレーンの声を当てていた小原乃梨子がぎゃんぎゃん叫ぶのだけが記憶に残っていたので、とりあえず字幕だし最初から見るか、と。

やっぱりシャーリー・マクレーンがぎゃんぎゃん叫ぶだけのドラマだった。 笑
でも、芝居があざと上手いのも彼女が映画女優として成功しているところで、やっぱり字幕版で本人が喋ってる方がずっと良いと思いました。小原乃梨子好きですけど。想像としてはのび太くんより未来少年コナンの方でお願いします。

映画のクライマックスは、ABTのガラ・コンサートの後ろで繰り広げられる、BBA二人のしばきあい(笑)。パーティドレスで追いかけ回した後、ホール外の風の強い広場で罵り合いながら蹴り合いして、最後はお互いに尻叩きしながら、バカバカしくなったのか若い頃を思い出したのか、最後は笑い泣きに不覚にもほろっと来てしまって、私もBBAになったからだなと思いました。

引退間近のBBAバレリーナ役のアン・バンクロフトはどこもダンサーに見えないのですがこの頃はこれで良かったんでしょうね。なんか「ブラック・スワン」の逆既視感がすごかったのですが、もしかしてあちこち元ネタになってる感あります?

バリシニコフの見せ場は思っていたよりたくさんあって、ジゼル、ロミオ&ジュリエット(練習)、ガラで眠れる森の美女、海賊、最後はドン・キホーテ。BBAドラマ以外にはレスリー・ブラウンよりもバリシニコフ鑑賞映画となっておりました。いや~、若い!青い目がキュート!エリートダンサーなのにチンピラくさい言動がたまらん。

相手役のレスリー・ブラウンは本物のABTダンサーで、1984年だったかな?バリシニコフのカンパニーの来日公演の時にも来ていてちょっと感激しました。ハーバート・ロスが後にバリシニコフを主人公にした「ダンサー」にも出ていたそう。未見なのでNHKさん放映してくれませんかね…

「海賊」の場面は「ザッツ・ダンシング」にも収録されている、というかこの映画でバリシニコフがアメリカのバレエ映画について語るコーナーすらあるのですが、版権の関係か何かで映像ソフト化されず、Youtubeにもありません。ただソビエト時代のバリシニコフの海賊の映像が。

この映画でもだいぶ滞空時間がヤバいのですが、コンクールは更に跳んでも回ってもすごい人でした。


Mikhail Baryshnikov - Competition and Concert Solos from 'La Bayadère' (Moscow 1969)